kodomo No Ie

園便り 3月号

1: 今月の目標
2: うたいましょう〜今月の歌〜
3: おねがい
4: 2月の献金
5: 母国語について思うこと

ゲートのジャスミンがうす桃色の蕾をたくさんたくさん付けて開花の待ち遠しい今頃。
畑の大根さんも収穫の時を迎えています。
「うんとこしょ どっこいしょ」のかけ声と歓声の中
大きいのや小さいの、細いの太いの、二股のと様々な大根が顔を出します。
みんなが育てた大根です。お家に持って帰って食べてみて下さいね。
きっと、きっとみんなのエールがつまっているので美味しいと思いますよ。

今月の目標

・自分たちで作ったひな人形をひな壇にかざり、ひな祭りのうたを唱ったり
 お話を聞いたりして、ひな祭りの行事を楽しむ
・草木の芽のふくらみ、陽のあたたかさ、やわらかな風を感じるなかで
 季節の移り変わりに気付く
・なわとび表(きく、うめ)や。がんばり表(さくら)をもとに
 戸外で元気に運動する
・うさぎや亀、魚などの飼育物との触れ合いを通して
 小さいものを愛おしむ心を育てる
・大根の収穫を通して、畑のかわり様に気付くと共に畑への感謝の心を持つ


うたいましょう〜今月の歌〜

  れんげ・・・ポンポンポンと春が来た
  もも・・・・かわいいかくれんぼ
  すみれ・・・ぞうさん
  きく・・・・犬のおまわりさん
  うめ・・・・春のくる音
  さくら・・・手のひらを太陽に
  

 各クラスの歌の楽譜は、アテンダンスシートの所に置いてありますので
 どうぞお取りいただき、ご家庭でご一緒にお楽しみ下さい。

おねがい

アテンダンスシートが変わっています。
今迄のようにイニシャルでなく、フルネームと登園、降園の時間を記入して下さいますように。

2月の献金

2月の献金は$54.21でした。
ご協力ありがとうございました。


母国語について思うこと

                      坂本 智郁(順正 母)                              
 ・・・・・我が家は、駐在の家庭です。
国際結婚や永住のご家庭とは、家庭環境や状況が違うと思います。
しかし、3年間、たくさんのご家庭と仲良くさせていただいて、
母国語に対する思いは、同じだと思いました。
これから、私のこちらでの体験を書きますが、
何か一つでも、重なる点がありましたら幸いです。・・・・・
  
まんま・・長男のはじめての言葉。
まま・・次男のはじめての言葉。
本当にうれしかった・・。
それから、少しずつ、少しずつ言葉が増えて、その度に、うれしくて、うれしくて。
 
アメリカに来て3年。3月の帰国を前にして、
こどもたちが、はじめて言葉を口にした日のことをよく思い出します。
目を閉じると、その時の感動が、胸に込み上げてきます。
 
3年前、アメリカ行きの飛行機の中で、「母国語の大切さ」について書いている本を読みました。
日本にいる時、母国語は、ごく当たり前のことで、改めて考えることはなかったように思います。
ぴんと来ないまま、飛行機はLAXに着き、ロサンゼルスの新生活が始まりました。
 
ロサンゼルスの生活が始まってから、
「家の中が日本語だから、日本語が崩れることはないだろう」
「帰国したら、また日本語だらけの生活になるのだから、ここでは、英語にたくさん触れさせよう」「発音や聞き取りは、幼いうちにしか身につかない」
「帰国後、たとえ英語を忘れてしまっても、将来、せめて耳に残ってくれれば」・・
と“ここでしかできないこと”にとらわれ続けていました。
 
長男は、学齢にかかり、あさひ学園にお世話になるようになりましたので
、英語と並行して、日本語も大事にすることができました。
しかし、次男は、兄のこどもの家の卒園と同時に、こどもの家を離れてしまいました。
大喜びで通っていたこどもの家と違って、現地のプレスクールは、
先生方によくしていただいたにもかかわらず、毎朝、不安そうな顔をしていました。
「ネイティブな英語に触れさせることは、親ができないこと。必ず、この子のためになる。」
そう信じて、つらそうな次男の手を引き、プレスクールに通い続けました。
やがて、次男の表情から笑顔が減っていきました。
辛抱していたのでしょう、車に乗るなり、大粒の涙をこぼす日も出てきました。
ある朝、窓の隅から次男の教室をそっとのぞいてみました。
次男は、先生が読み聞かせをしている絵本ではなく、ドアのノブばかり見ていました
。私が迎えにくることばかり考えて、待っていたのです。
 
その時、私は、はっとしました。
語学のことや、ここがアメリカであることばかりにとらわれて、
一番大切な次男の心や情緒のことが二の次になっていたのです。
私は、「一番身近な母親である私の言葉(日本語)を、この子から決して離してはならない。
まず、母国語である日本語。そして、安心して、心にゆとりができてきたら、
少しずつ英語に触れさせていく。これが、幼いこどもの大切な順番。」と思いました。
そして、「もう、英語も、日本語も、どうでもいい。この子の笑顔が見たい。」
と強く願ったのです。
 
私は、思い切って現地のプレスクールをやめ、こどもの家に帰ってきました。
「おかえり」と迎えてくださった、園長先生の優しい笑顔が忘れられません。
次男は、こどもの家に行く日が待ち遠しくて、こどもの家の近くを通る度に、
「おーい。こどもの家~。待っててね~。お弁当持って行くからね~。」と言って、
手を振っていました。次男に、笑顔が戻ってきたことは言うまでもありません。
今では、こどもの家に向かう途中、赤信号で止まっては、
「みどりになれ!みどりになれ!」と三日月の目の満面の笑顔で叫んでいます。
はやく、はやくこどもの家に行きたいのです。
 
次男の笑顔を見て、「これが正解だ!」と思いました。
 
生活の真ん中に、日本語の環境を置くようになって、
しばらくして、ライブラリーのストーリータイムや、
お兄ちゃんがやっているジムナスティックスに参加するようになりました。
私も、お兄ちゃんもそばにいますので、大喜びで、英語の中に入っていきました。
英語の指示もよく聞いています。
はじめは、私の方ばかりチラチラ見ていましたが、
今では、活動している間は、私のことはすっかり忘れている様子です。
幼いうちは、まず、母国語を大切にして、
英語は、こんな具合に、ゆっくりと、あくまでもサブでいいのかもしれないと思いました。
 
一番大切なのは、母国語を通して得られる安心感。
それが土台となって、英語をはじめとする様々なことが、
そこに積みあがっていくのだと思いました。
 
「私が十分に教えられないから」「せっかく英語圏にいるのだから」
とあせることは何一つないのです。
 
以前、私は、日本語は、日本に帰ってからでも、取り戻せると考えていました。
今では、「取り戻せないのではないか」と思っています。
幼い時期は、人生の土台となる豊かな母国語を育む大切な時期。
この一秒一秒は、決して戻ってこないのです。
外国にいようが、どこにいようが、2歳の一秒一秒、3歳の一秒一秒は、
この瞬間だけなのです。
れんがを一つひとつ積み重ねていくように、毎日毎日言葉を積み重ねていきます。
どこかのれんがが一つでもないと、家は、もろく崩れてしまうでしょう。
2歳の時代の日本語のれんがも、3歳の時代の日本語のれんがも
後から積み上げることはできないのだと思います。
外国にいても、この瞬間は、母国語を育む大切な瞬間なのだと思います。
 
今では、外国にいるからこそ、「母国語が大事」と考えています。
「ここでしかできないことを!」「英語を身につけさせたい!」
「我が子に英語で苦労させたくない!」・・・
日本語にない発音だらけの英語に苦しむことが多い日本人は、
我が子に対して、そう思いがちです。
これも、我が子に対する強い愛情があるからでしょう。
でも、それで、母国語と英語の順番を間違えてしまったら、
母国語によって育まれる心の基盤や強さを失い、
英語どころか、母国語までも崩れかねないのだと思います。
そして、心の安定までも、失ってしまうかもしれないのです。
 
こどもは、親に抱きしめられたり、優しい言葉をかけられたり、
励まされたりしながら、つまり、母国語を聞き、理解しながら、周りの人を信頼し、
やがて、自分を好きになり、大切にするようになると思います。
これこそが、心の基盤だと思います。
私たち親の仕事は、この強くて、満たされ、安定した心を育てることだと思います。
この心さえあれば、心配しなくても、大丈夫、親がこどもの先を行かなくても、
こどもは、自分で人生を切り開いていくと思います。
親が思っている以上に、こどもは、力強く生きていく力を持っているのです。
 
次男の大粒の涙に教えられ、
以来、母国語である日本語を前以上に大切にするようになりました。
 
また、長男は、私の前では、一切英語を使いません。
あまりにも、英語を聞きませんから、「英語は大丈夫かな。」
とさすがに心配する日もありました。
それでも、家の中では、毎日出される英語の宿題以外は、
あさひ学園の宿題など日本語を重視してやってきました。
最近あった現地校のカンファレンスで、
先生に、長男が、Gifted Children(アメリカの英才教育のプログラムだそうです)に
推薦されることを聞かされました。英作文が高く評価されたそうです。
母国語の基盤を作ることで、安心し、英語の現地校でも、のびのびと学習していたようです。
また、日本語が、英語の邪魔をするわけではないことも知りました。
それどころか、しっかりとした日本語が、
長男の英語の学力をつけることを助けていたのだろうと考えられます。
 
次男は、こどもの家に通ったり、日本語を大切にするようになって、
笑顔いっぱいの日々になりました。これだけで私は大満足です。
今のこの子は、これでよいのです。
これでよいと思ったときに、すてきなおまけもついてきました。
ジムナスティックスやストーリータイムなど英語の環境も、
ますます積極的に参加するようになり、英語に対するいろんな質問も増えてきたのです。
「英語をやりたい!」という気持ちが、母国語の土壌の上に、
野の花のように、勝手に芽生えてきたようです。 
 
我が子が、はじめて言葉を口にした時の感動や、
日本にいた時、日本語がゆっくりと増えていき、
おじいちゃん、おばあちゃんと手をたたいてよろこんだことを思い出して、
「さらに英語も!」とあまり欲張らずに、
幼児期の英語は、お母さんと一緒に楽しく触れる程度にし、
まずは、母国語を大切に育て、心の基盤をしっかりさせることが重要だと思います。
そうすると、ここは、英語の国です。
自然と、その基盤に、もっと豊かな英語が積みあがっていくと思います。
 
母国語は、へその緒と似ていて、親子をつなぐ大切な言葉。
へその緒なしに、赤ちゃんはおなかのなかで生きられません。
そう考えると、どれだけ母国語が大切かに気づかされます。
母国語とは、文字通り、母国の言語という意味ですが、
母親のおなかの中にいた時から聞いていた母親の言葉のことをいうのかもしれません。
 
また、母国語は、考えてみれば、
私という人間を作ってきた大切な歴史であり、人生そのものです。
母国語を大切にするということは、自分自身の生きてきた道のりを大切にするということです。
母国語を我が子に自信を持って教える・・なんて素敵なことでしょう。
 
日本では、12歳まで(小学校の間)、国語を優先して、学びます。
小学校に英語が若干入ってきていますが、国語の授業時数が圧倒的に多いです。
そして、第2外国語である英語は、中学校から本格的に入ってきます。
この順番には、大きな意味があるのだと改めて思います。
もちろん、聞き取りや、発音は、幼いうちに身につくものでしょうから
英語に、幼いうちに触れることは、おおいによいことです。
でも、母国語は、あくまでも優先するべきなのだと思います。
 
外国の地でも、10~12歳くらいまでは、
家庭の中では、母国語の確立を目指して、日本語を大切にした方がよいと思います。
英語は、学校で毎日触れていますから
、家庭の中は、できるだけ日本語に切り替えるといいと思います。
すると、頑丈な母国語の土台の上に、豊かな英語が積みあがると思います。
母国語がしっかりしているこどもは、英語もしっかりしてくることがいえるようです。
はじめは「英語大丈夫かしら。」と心配しますが、
後から巻き返すとは、このことなのだと思います。
 
母国語の確立は、心の強さそのものである以上に、自分が何者かがわかる・・
つまりアイデンティティーの確立に欠かせないものだと思います。
 
10年、20年先に、こどもたちが笑顔でいてくれますように、
幸せでいてくれますようにイメージし、今なにをするべきか、
具体的に考え実行していくことが大切だと思います。
 
また、人生は、困難の連続。
そんな時、自分が一番ぴたっとくる母国語で、我が子を励まし、
我が子がその言葉を理解して、元気に前向きなってくれたら、
こんなうれしいことはないと思います。
 
今、豊かな日本語でたくさん言葉かけをしてくださり、時には、抱きしめてくださり、
こどもがいる間は、いっさい他の仕事をせずに、精一杯かまってくださる
(きっとその分、見えないところでたくさん残業してくださっているのでしょう)
こどもの家の園長先生をはじめとする先生方に心から感謝いたします。
 
3月中旬に帰国となりましたが、3年前にアメリカ行きの飛行機の中で読み、
その時はぴんと来なかった「母国語の大切さ」が、
この3年間で自分のものになったことをうれしく思っています。
ロサンゼルスは、私に母国語について考えるチャンスをくださいました。
これは、大きな財産となることと思います。
 
帰国しても、2ヶ国語背負って、一生懸命子育てをされている
こどもの家のみなさんのことをずっと忘れません。そして、応援しています。
 
短い間でしたが、本当にお世話になりました。心より感謝申し上げます。
 ありがとうございました。





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