kodomo No Ie

長男がこどもの家に通い始め、早いもので5年が経ちました。今年で8歳になる現在は、 土曜日の日本語クラスでお世話になっています。通い始めた当初は団体行動ができず大変苦 労しましたが、先生方の忍耐強いご尽力のお陰で、さくら組卒園時には皆でお話を聞くピア ノの部屋にも行けるまでになりました。

放課後も父兄監視のもと園庭で子供達を遊ばせていますが、「もう帰ろうね」と呼び掛け ても「まだ帰らない」とお子さんが応える姿をよく目にします。我が家の長男が3歳の頃も 例外ではなく、まるで米俵を肩に担ぐようにして園庭を後にした日々が懐かしく思い出され ます。昨年の9月からは長女もお世話になっていますが、子供が子供らしくいられ、思う存 分遊べるこどもの家が、親子共々とても気に入っています。

クラフトの時間は、真新しい画用紙の代わりに要らなくなったコピー用紙、牛乳パックや ペットボトルの容器などがその代わりに登場します。リサイクルの徹底が園の方針としてあ るからです。また、園庭にはカメやうさぎ小屋など小動物と自由に触れ合える場所や園児達 の畑があり、種蒔きから収穫までのサイクルを実際に体験することで生命の尊さを学べる事 も大きな魅力です。たくさんの物が溢れ、コンビニエンス食品に囲まれた現代の子供たちに、 親として伝えたいことがこの園には凝縮されている気がします。

また母親として、ボランティア活動や放課後の園庭遊びの時間を通し、子育ての大変さを 理解し合う良き母親友達にたくさん出会いました。そのお陰で、ストレスや子育ての悩みが 減少した事は言うまでもありません。

こどもの家は口コミで園児が集まり、サンタクラリータやフォンタナなど遠方の方や、日 本語幼稚園が多いトーランスから通う園児もたくさんいらっしゃいます。また、2007年8月の 創立20周年記念式典には、日本からも卒園生やそのご家族が50組余り参加されたと伺い、 この園がいかに愛されているかを物語っていると感じました。日本を離れ、この限られた日本 語教育の土地に、こどもの家という理想的な園があり本当に良かったと痛感しています。

2008年7月 アニシッチ久美子

日本を離れて7年。元々怪しかった、私の日本人としての常識・文化的知識はどんどん衰えて いくばかり。子供が生まれ、歩き出し、喋り出し。このまま、中途半場なエセ知識を子供に伝え ていては、さすがに「ま、いっか」な私でもまずいんじゃないか、と思っていた頃、こどもの家 の存在を知りました。

正月・節分・七夕、その他諸々...私がさぼっている間に、先生方が色々教えて下さるの です。もちろん、日本語で。しかも、資源の抱負な国ではおろそかにされがちな、節約やリサイ クルといった価値観がいっぱい。うさぎはいるし、野菜には声を掛けて育てるし。万物に命が宿 る、という精神など、アメリカで教えてくれるところは少ないのではないでしょうか。

というわけで、娘にがっちり日本文化を仕込みたい私としては、ありがたや、ありがたやの園 なのです。

2008年10月 オンズマン たし