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土曜 日本語クラス ニュースレター 6 月号

1: クラスI  担当 大関
2: クラスⅡ 担当 高倉
3: クラスⅢ 担当 梅畑
4: クラスⅣ 担当 山田
5: クラスⅤ 担当 大田
6: クラスⅥ 担当 坂本

毎年6月号には【今年度のクラスの記録一覧】を載せてきましたが、すでに“こどもの家”のサイトからバックナンバーの閲覧が可能ですので、http://www.kodomonoie.us/letter/letter.php?cat=jpn をご覧下さい。
今年度の最終号は、みなさんより一足先に“ロサンゼルスでの子育て”を終えた土曜クラス教師から保護者の皆様へのメッセージです。

クラスI  担当 大関

≪日本語の読み書きを初めて習うクラス(5歳児を対象にスタート)≫

『こどもの家のみんなと一緒に利用する遊具(自宅の私物と異なる)の使い方のルールを知って遊べるように…。お友達の名前を覚えて仲良く遊ぶことができるように…。耳が柔軟なうちに日本語に親しみ日本語に興味を持って欲しい。自然や命をいとおしむ心を育むとともに、鉛筆を動かすのに必要な筆圧を育てて欲しい。』など、たくさんの願いをこめて、リズムに合わせて体を動かしたり日本語の歌を楽しく歌ったり、季節の行事の工作をしたりと盛りだくさんの1年でした。
子供達は「にほんご、大好き。こどもの家で、◎◎をしたよ。▲▲があったよ。」と、話してくれたでしょうか? 『早く、文字の練習をさせたい』という親心は分りますが、十分な筆圧が育つ前に芯の硬い鉛筆を持たせるのは禁物です。運筆の悪い癖がついて将来の文字の修得の障りになるより、筆圧が育つまでは「工作や砂遊びなど」を優先させて、平仮名を練習させる場合には、正しい筆順と丁寧なトメ・ハネ・ハライを心がけさせてください。お箸を上手に動かす練習は筆圧を伸ばしますのでお試し下さい。

クラスⅡ 担当 高倉

≪未就学児の「聞く/話す」・「読む/書く」日本語力をさらに高めるクラス≫

“おかし屋敷”でのお買い物体験やロールプレイをとおして、大きな声で挨拶や買い物ができるようになったでしょうか?
カルタ詩(うた)などをみんなと一緒に声に出して読んだり一人で読んだりすることで、長くのばす音,短く詰まる音などの聞き分けと発音ができるようになったでしょうか? 身の回りの言葉探しゲームや、反対言葉で日本語の数を増やすことができたでしょうか?
5~8歳の子供達は、砂漠の水のように音を吸い込んでいきます。耳が固まってから(高校生や大人になって習い始めた)日本語ではなく、ネイティブの発音が期待できます。現地校に通い始めて英語の読み書きを始めると、日本語が低下する傾向が見られますが、幼児期の日本語の耳と口は残ります。日本人のお母様はぜひ、「を」や「は」を抜かずに、ゆっくりとはっきりした日本語で話しかけて下さい。

クラスⅢ 担当 梅畑

≪日本語の語りかけに最後まで耳を傾ける姿勢+視写+平仮名と片仮名+新出80漢字 など≫
お菓子屋敷のお買い物体験に始まり、母の日の本づくりまで、日米の伝統行事に親しみながら日本語の勉強をしてきました。園庭のオシロイバナで色水を作り、色水の作り方を「順序を表す言葉」を使ってプリントにまとめました。感謝祭,節分やこどもの日などの行事に合わせてお話を聞いたり読んだりしてきましたが、「母の日の本」でお母様への感謝の気持ちを伝えることができたでしょうか? 
ウサギの赤ちゃんがうまれたときには、小1国語の教科書に載っている「動物の赤ちゃん」を教材にしましたが、日本の教科書を教えるのではなく、教科書で教える日本語です。仮名文字をチャート(一覧表の下敷き)から一文字ずつ拾うのではなく、下の例のように言葉のまとまり(/)まで続けて書けるようになりましょう。 例:きょう/こどもの家でね/ウサギの/あかちゃんを/だっこしたよ/
現地エレメンタリー就学児がセンテンスの冒頭部をしっかり聞こうとして、日本語の文末まで気持ちを集中させるのが難しくなる年齢です。日本語の本読みを薦めて下さい。こどもの家の図書をご利用下さい。

クラスⅣ 担当 山田

≪単文の聴音と聴写と音読+(順序よく詳しく正しく)はっきり最後まで話す力+新出160漢字 など≫
耳が柔軟なうちに【音読】,【視写】や【聴音と聴写】の力をつけることを目標に、こどもの家の行事体験を通して語彙の拡充に努めてきました。今年度は、教科書の説明文「一本の木」や「絵を見て考えよう」を利用して説明の内容をとらえる練習をしました。“指し示す言葉”についてもふれて、視写もしました。絵を見て文を作ることができるようになったでしょうか?
【視写】とは、お手本を見ながら、単語または言葉のまとまりまで続けて書くことで、一文字ずつ書き写すレベルではありません。
【聴音と聴写】とは、下の例のように、短い文を聞いて仮名表記(できれば既習漢字を使用)することです。
【例】耳から入ってくる音:「パンクイキョーソーニ デタイヒトワ ニュージョウモンニ シューゴーシテクダサイ。」
   →漢字と仮名文字を使った表記:「パンくいきょう走に 出たい人は 入じょう門に しゅうごうしてください。」など
「Play=遊ぶ」と習っても、「サッカーをしました。/ピアノをひいています。/あそんでいました。」と使い分けるのは難しいことです。そこで、効果的な学習手段が「日記」です。運動会の“かけっこ”を例に挙げると、まず「駆ける=走る」の語彙の拡充で、「走る+回る→走り回る」という複合語に拡大できます。同時に「走る」や「回る」の漢字を覚えて、日記に残したり漢字学習ノートの短文づくりで「走って」「走ると」などの語尾変化を試したり…と、ゆっくりでも確実に自分の日本語を伸ばすことが期待できます。あせらず確実に生きた日本語を身につけて欲しいものです。ご家庭での宿題の支援をお願い申し上げます。詳細は担任にお尋ね下さい。

クラスⅤ 担当 大田

≪重文や複文の聴音と聴写と音読+表意文字として漢字をとらえる力+新出200漢字 など≫
縦割り班のリーダーとして、班の意見をまとめるなどの活動ができたでしょうか?日本語で意見交換できたでしょうか?
日本語補習校の進出漢字は、小1=80,小2=160,小3=200,小4=200,小5=185,小6=181,中学部=約940で、これに比べるとかなり少ないようですが、意味も分らない文字列を眺めて日本語嫌いになるより、エレメンタリーの時期に“音どり”と“表音文字の正確な表記”の力をつけさせる方が将来の役に立ちますので、土曜クラスでは小三までの漢字学習ノートを、副教材(宿題)として購入していただいています。『知らない文字列』ではなく、実際に見聞きした言葉や体験として漢字を定着させて下さい。このレベルを上回る児童には、漢字の部首に注目して表意文字としてとらえる指導をしています。
「お宅のお子さん、日本語がお上手ですねぇ~」という褒め言葉はうれしいものですが、当地で育つ子の日本語力の評価基準をご存知のママさんは少ないようです。ママとコミュニケーションできるレベルでよければ、漢字学習は不要ですが、大学や職場で評価される日本語力となれば現地高校のグレードが重要視されます。現地のアクティビティーに時間を取られるようになる前に日本語の基礎を身につけて欲しいものです。

クラスⅥ 担当 坂本

≪AP Japanese Test (Japanese Language and Culture)に備えて、日本文化の理解を深めるクラス≫
APテストは当地の大学1~2年生を対象とした学習内容ですので入室は下記の3条件を満たす者に限らせていただきます。
①現地のエレメンタリー終了,②小3までの新出漢字を修得していること,③家庭のPCで日本語が使用できること
★2012年度のクラス6で実際に学習したことは http://jasakura.com/k/2012/ をご覧下さい。
「現地校のアクティビティーが忙しくて…。」という話を聞くとホッとします。アメリカに貢献できる人材育成がアメリカの公立教育機関の使命ですから、6Th 以上の生徒は、得意分野を伸ばすことに多くの時間を費やすことになるものです。「現地校が忙しいけれど、将来AP Testで5を取ってG.P.A.をアップさせたい。」と思う生徒のお手伝いをしています。ただし、AP受験手続は各自、申請してください。南加クレジットテストは単位を認めてくれる現地ハイスクールが少ないのでやめました。詳細は担任にお尋ね下さい。